7. ヒューバー針
リスク
 埋め込み型の中心静脈カテーテルアクセスポート等へのアクセスには、ヒューバー針(Huber needles、ヒューバー針、CVポート専用針等)が使用される。JES2018ではこれらのヒューバー針による針刺し切創事例が少なくとも140件報告されており、ポートに接続された中空針は血液体液を含んでいてる可能性もあるため、感染リスクの観点からも対策の構築が求められる。
 ヒューバー針の特徴としてノンコアリングニードル(non-coring needle)であることが挙げられる。埋め込み型アクセスポートのシリコン素材を貫通する際に、切り屑が発生すると薬剤の漏出や切り屑がラインの閉塞を引き起こす可能性がある。埋め込み型アクセスポートの頻回・長期にわたる使用を可能にするために、穿刺針はこの切り屑が発生しにくいデザイン形状を採用している。この特徴をノンコアリングニードルと呼んでいる。一方で、このノンコアリングニードルは鷹の爪のように特殊な形状であるため、取り扱う医療従事者のほか,在宅医療ではケアを行う家族にとっての脅威となる。
※JES2018:Japan EPINet Surveillance 2018(2015~2017年度、3か年データ、82施設)

対策
  • 外来癌化学療法の進歩と普及に伴い、ヒューバー針の国内消費本数は飛躍的に増えている。穿刺を病院外来で行って自宅で本人か家族が抜去したり、在宅医療で訪問診療・看護により使用されたりなど状況は様々である。こうした状況を踏まえて、取り扱い者が十分に本器材のリスクについて理解する必要がある。
  • 国内には数多くの安全機能付きのヒューバー針が販売されており、ヒューバー針を導入する際には迷わず針刺し損傷防止機構付き製品を採用する。使用する前には製品の特性を十分に理解してから使用する。
  • 安全機能を作動させたら器材は速やかに耐貫通性の廃棄容器に廃棄する。

 
/