エピネット記入用紙の使い方のポイント
エピネット日本版の記入のポイントと注意
 エピネット日本版の報告書には2 種類あり、エピネットA は針刺し・切創用(18 項目4 ページ)で、エピネットB は皮膚・粘膜汚染用(17 項目3 ページ)である(2, 3)。ページにボリュームがあるが、ほとんどの設問がチェックボックスのため、実際の記入は5分程度である。各設問で注意すべき点について記す。<本書巻末の付録をご参照ください。

エピネットA およびB の共通設問1-5 について
①設問1 経験年数:血液曝露時に就いていた職種の年数の合計を回答する。経験年数が1 年未満の場合は1 ヶ月単位で回答する。例、1 ヶ月: 0.01、11 ヶ月:0.11
②設問2 発生月日:発生年数は西暦で、発生時間は24 時間制で回答する。

エピネットA の設問6-14 について
①設問6 器材の選択:受傷の際に、原因器材を選択して患者に使用した人であったかどうかを聞いています。放置してあった器材であっても、受傷者自身がその器材を最初に患者に使用した場合は『1. はい』を選択する。 使用済みの器材が数本トレイの中にあったもので受傷し、自分が実際に使用した器材であったかどうかわからない場合などは『3. 適切な回答なし』を選択する。
②設問7 器材の汚染:どの程度の器材の汚染が感染症の発生につながるかを把握するためのものである。器材が患者に使用されたかどうか確かでない場合は、『4. 汚染されていたかどうか不明』を選択する。
③設問12 針刺部位: 複数受傷時には最大3 つまで記入できる。傷の深い順に部位を記載する。
④設問14 手袋の着用:この設問は、手を受傷された方のみ回答する。

エピネットA の設問15-18 およびB の設問14-17 について
A 設問17 とB 設問16:事象の経過を記入します。記述文は、報告書の各設問では回答できない数々の重要な情報が含まれている。事例の詳細な状況や背景を記述するよう、受傷した職員を援助する必要がある。『採血時自分で刺した』という程度の記述では不十分である。報告書の各項目、用語などの定義・解釈の混乱を避けるためには、針刺し・切創担当者のインタビューに基づいて記入した方がより正確になる。記入内容は、
(1)具体的な発生現場(階、病棟、ナースステーション等)、
(2)発生時にどのような仕事、行為をしていたか?、
(3)受傷原因の器材、
(4)どのようにして発生したか?、
(5)特別な事情・状況・背景等、
(6)受傷後の処置、の6つの内容を含める。文章でも箇条書きでも構わない。
「針刺しをもたらす要因として照明の暗さはどれくらいであったか?」等の特殊な事柄が問題になったとき、この記述文を検索することにより明らかにできる。記述文は貴重で豊かな財産であり、データ収集過程の一部に含まれる。

引用・参考文献:
※ エピネット日本版 に関するその他の情報は以下URL を参照下さい。 http://jrgoicp.umin.ac.jp/index_epinetjp.html
 
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